隔日勤務の裏側──“自由”と“孤独”のはざまで働くということ

“自由”と“孤独”のはざまで働くということ

「自由な時間が多いって聞いたけど…」
「1日働いて1日休み？なんだかラクそう」
「でも、本当にその働き方、自分に合ってるのかな」

タクシー業界で多く採用されている「隔日勤務」。
月に12〜13回の出勤、出勤日の拘束時間は長いけれど、出勤日の翌日は基本休みというスタイルは、一見すると理想的にも思えます。

しかしこの働き方、実は“自由”と“孤独”が背中合わせ。
今回は、そんな隔日勤務の裏側にあるリアルを、実際のドライバーの声とともに紐解いていきます。

✅ 基本の仕組み
• 1回の勤務時間：約15〜18時間（休憩含む）
• 月12〜13回の出勤で、週40時間以内に調整
• 出勤日の翌日は休み（明け休み）＋月に数日の公休あり
• 1回の勤務で1日分以上の売上をつくるのが基本

▶ 一度の勤務でまとめて働き、次の日はしっかり休む。
このリズムを繰り返すのが、隔日勤務のスタイルです。

✅ 1. 圧倒的な「時間のゆとり」

明け休みをうまく使えば、平日の昼間に…
• 病院に行ける
• 銀行・役所手続きも楽々
• 趣味の時間を確保
• 家族とずれたスケジュールで動ける

▶ 特に育児や副業と両立したい人、一人時間を大切にしたい人には最適な働き方。


✅ 2. 平日に動ける＝「人とズレた自由」がある
• 混雑を避けて買い物や通院ができる
• 役所や公共機関の“待ち時間ゼロ”を体感
• 平日レジャーで安く快適に過ごせる

▶ 「自分の時間を取り戻せた」と感じる人が多いのも特徴です。

❌ 1. 明け休みは自由＝誰とも会わない
• 家族や友人が働いている時間にひとり
• 昼間にぽっかり時間が空き、ついダラダラしてしまう
• リズムが合わず、予定が合わせにくい

▶ 「自由なのに、なんだか孤独」という感覚に陥る人もいます。


❌ 2. 夜勤帯はとにかく“無音”な時間が多い
• 23時〜翌2時など、車内は静寂
• お客様も寝ているか、無言
• 1人で街を走り続ける“虚無感”にハマることも

▶ 時間と空間が“ひとり”すぎて、メンタルを保つ工夫が必要になることもあります。

♞ 40代男性（入社2年目）
「最初は“自由だ！”って思ってたけど、気づけば“誰とも話してないな”って日もあって…。孤独と向き合う仕事でもあると思います。」

♞ 50代女性（シングルマザー）
「日中に子どもの予定に合わせられるのはありがたい。でも、夜の運転中は一人の時間が長くて、少し寂しくなることもあります。」

♞ 30代男性（副業クリエイター）
「空き時間に動画編集してます。隔日勤務は“孤独をどう使うか”で天国にも地獄にもなる働き方ですね。」

✅ 明け休みは「何をしないか」を決める

→ ダラダラ過ごすと生活リズムが崩れがち。
あえて「寝すぎない」「スマホを見すぎない」とルールを作ると◎。


✅ 仕事中に「声を出す」工夫をする

→ 無音すぎる時間は気が滅入る原因に。
独り言でも歌でもOK、自分の声で“人間らしさ”を保つ工夫が意外と大切です。


✅ 小さな“繋がり”を持つ

→ 同期とLINEをする／休憩所で挨拶する／お気に入りのコンビニスタッフと会話する…
「孤独を感じたときに寄れる場所」を日常に持つことが、隔日勤務の安定に繋がります。

✅この記事のまとめ：
• 隔日勤務は時間の自由が圧倒的に多く、生活設計の幅が広がる
• 一方で「孤独」や「不規則リズム」と向き合う覚悟も必要
• 孤独に振り回されず、“使いこなす”意識が大事
• 合う人には最強、合わない人には不安定な働き方でもある


「自由」があるからこそ、自分自身との付き合い方が問われる。
隔日勤務は“時間の選択権”を持つ、プロフェッショナルな働き方。
その可能性を活かすかどうかは、あなた次第です。