タクシードライバーこそお金と自由な時間が手に入るホワイトな職業？一般的な労働条件と徹底比較

「有休をとらせてもらえない」「サービス残業が多い」「残業時間が長すぎる」など、日本では「ブラック企業」が度々問題視されています。「労働基準監査署いわゆる労基に報告すればいい！」とはいうものの、証拠集めが大変なうえに誰が告発したか会社に知られる可能性があるため、実行に移せる人は多くありません。そうして転職を考え、ホワイト企業を探した時、行き着くのがタクシー会社です。ここでは自由な時間や適正な給与を受け取ることが可能なタクシードライバーの仕事について解説します。

ホワイト企業とは、福利厚生が整っており、過酷すぎない労働条件とその労働に見合った給与が払われる企業のことです。こういった環境が整っていない企業は、反対にブラック企業と言われています。

タクシー会社がホワイト企業だと言える根拠は、この「福利厚生」「労働時間」と「給与」のすべてにあります。会社により多少異なる点もありますが、ここでは一般的なタクシー会社の労働環境について解説します。

タクシー会社の給与制度のほとんどは「歩合制」です。一口に歩合制といっても、「固定給＋歩合」または「完全歩合制」の2択になります。

「固定給＋歩合」の場合、固定給に重きを置く企業では歩合の割合が少ないため、頑張った仕事分の反映が少なくなります。タクシー会社の給与制度で、固定給重視の企業はほとんどありません。

最近は固定給重視よりも、歩合重視の企業が増えています。完全歩合制では不安がある人に向いた給与形態です。上記と見分けるためには、固定給を見ましょう。「固定給が高い！」と釣られると、歩合の割合が想像より低いということになりかねません。

「完全歩合制」の場合歩合率が50％であれば、売り上げの半分を給与として受け取ることができます。例えば売り上げが60万円だった月の給与は、30万円となるわけです。

タクシー会社の歩合率は40％台から見られますが、平均すると50～60％であることが一般的です。同じ歩合制を導入している営業職で不動産業の場合、歩合率は5～10％と言われています。この数字から、タクシードライバーの歩合率はとても高いことがわかります。

タクシードライバーは、働きに見合った給与を受け取れるやりがいのある仕事なのです。

タクシードライバーの勤務形態には、日勤・夜勤・隔日勤務の3種類があります。日勤は一般企業と同じ時間帯、夜勤は日勤との交代で深夜まで、隔日勤務はこの2つを足したようなイメージです。

日勤は家族との時間を共有したいタイプの人におすすめです。家族と行動する時間帯が同じになるので、生活の足並みがそろえやすくなっています。

朝早くに行動するよりも夜の方が活発に行動できるタイプの人には、夜勤がおすすめです。夜勤は少し一般の人と生活時間がずれるというデメリットがありますが、単価の高い仕事が多いのでこの点がメリットになります。

パワフルに仕事をして自由な時間も確保したいタイプの人には、隔日勤務がおすすめです。隔日勤務は1回の出勤で2日分働く計算になります。日勤と夜勤を一気にこなすので、体力面での負担は大きくなりますが、自由に使える時間が格段に増えるのです。

この勤務の場合、月の出勤日は11～13日までぐらいとなります。出勤した翌日の朝方まで働き勤務終了となるので、その日は実質フリーで使えるうえに、通常の公休が入ってくるので、稼働している日数が極端に少なくなるのです。

中には「隔日勤務は違法じゃないのか」という声もありますが、労働基準法が定めている労働時間のルールは2つ存在します。一般的な企業に向けたものは「1日8時間」ですが、隔日勤務の形態をとっている場合、「拘束時間は21時間以内かつ勤務終了後20時間の休息」と定めているのです。

隔日勤務形態をとっているのはタクシードライバーだけでなく、看護師や介護士の業界でも導入されています。

このようにそれぞれのライフスタイルや体質に合わせて勤務形態を選べることも、タクシー会社の魅力の1つと言えるのです。

ブラック企業の典型は、多すぎる残業です。いかに給与が良く労働時間が決まっていても、残業が多ければ意味がありません。

気になるタクシードライバーの残業は、基本的に自由です。もともと歩合制で働く1人仕事なので、就労規定時間を過ぎていれば自分で終わる時間を決められます。そのためたくさん報酬を得たいドライバーが、自主的に残業しているケースがほとんどです。

ちなみに残業の定義は「1日8時間または週40時間を超えた労働」なので、もともと時短勤務の人は仕事時間を増やしても残業に当てはまらないこともあるので、注意しましょう。

新しく何かの職に就きたいと思った時、給与と労働時間を多くの人がチェックします。そこで高給取りを目指したいという意志とは裏腹に立ちはだかる壁となるのが「資格」です。高額な報酬には、特別な資格や専門的な技術がセットとして求められるのです。

しかしタクシー会社では、必要な資格「第二種免許」を会社負担で取得させてくれます。これだけでもかなり大きなメリットなのですが、この取得するまでの期間や研修期間にも給与を出してくれる会社があるのです。

当然ながら年金や雇用保険などの一般的な福利厚生も整っているので、万一ケガをしたときなどにも給料保証があり安心して休むことができます。またタクシードライバーは雇用期間も長く、通常の定年後も働くことができるので老後の資金で悩むこともありません。

ここまでタクシー会社がいかにホワイト企業かを述べてきましたが、すべての会社に当てはまるとは限りません。中には、労働者に負担を課す会社もあります。

有給申請が通らない・歩合制の割合が地域の相場と比較して低い・緊急でシフト変更を申し出た時ペナルティが課されるなど、ブラックな一面を見せてくるところもあるので、求人応募や面接の際に条件の確認は怠らないようにしましょう。

タクシードライバーは、ブラック企業についての話題が後を絶たない現代で数少ないホワイト企業と言えます。労働条件しかり報酬も自分次第である部分が大半なので、自由な時間や十分なお金を手に入れられるかを決めるのは自分なのです。しかしどんな業界でも例外があり、タクシー会社も例に洩れません。有給取得率やペナルティなど、細かな部分まで確認したうえで就労しましょう。