アプリ配車だけに頼らない！営業の基本を再確認

～タクシー営業の基本を再確認しよう～

「配車アプリで稼げているから、流しはもう必要ない？」
「アプリの鳴りが悪いとき、何をすればいいかわからない…」
「営業の幅を広げたいけど、どう動けばいいか自信がない」

近年、配車アプリ（GO、S.RIDE、DiDiなど）の普及により、タクシー営業のスタイルは大きく変わりました。
アプリを活用すれば、効率的にお客様と出会える時代です。

しかし――「アプリが鳴らない時間」「アプリ圏外のエリア」「突発的な需要」など、アプリだけでは対応しきれない場面もあるのが現実。

だからこそ今、“営業の基本”を見直し、「自分の足で稼ぐ力」を再確認することが、安定した売上につながるカギになるのです。

アプリ全盛の今、「営業スキル」が軽視されがちになってきています。
しかし実際には、以下のような声が多く聞かれます。
• 「アプリだけに頼っていたら、売上にムラが出る」
• 「夜間やイベント時はアプリより流しの方が効率的なことも」
• 「急な乗車ニーズを拾えるかどうかで1日の売上が変わった」

つまり、アプリだけでは拾えない“リアルな需要”を察知し、対応できる力が求められているのです。

①【時間帯別の需要を読む力】

“いつ・どこで・誰が”タクシーを必要としているかを把握するのは、営業の基本中の基本です。

● 朝（7時～9時）：通勤・通学・通院などの移動が集中する時間帯

この時間帯は、会社員の通勤や学生の通学、病院への通院などでタクシーを利用する人が多く、住宅街や団地周辺で駅に向かう人を拾うのが効果的です。
また、通院ニーズを見込んで大きな病院の近くを狙うのも◎。

● 昼前後（11時～14時）：買い物・外出・病院帰りの利用が中心

高齢者や主婦層の移動が増える時間帯です。
スーパーやショッピングセンター、市役所、病院前などに人が集まりやすく、中～短距離の乗車が見込めます。アプリ配車も安定して入る傾向があります。

● 夕方（17時～20時）：仕事帰り・夕食のお出かけが増える時間帯

この時間になると、会社帰りの人や、会食・外食に向かう人がタクシーを使い始めます。
オフィス街、駅周辺、飲食店が集まるエリアでの流しや待機が効果的です。

● 夜（21時～24時）：飲み会帰り・終電利用者がメインターゲット

繁華街や居酒屋街の出口で多くの乗客がタクシーを探す時間帯です。
この時間帯は“稼ぎ時”とも言えるので、繁華街の通りや駅前に注目しましょう。アプリ配車も増えますが、ライバルも多いため迅速な対応が必要です。

● 深夜（0時～2時）：終電を逃した人や長距離利用者が狙い目

この時間帯になると、終電を逃した人や、ホテル・空港・自宅への長距離移動を希望するお客様が多くなります。
ターミナル駅やホテル前、イベント会場の近くなどが稼げるポイントです。


このように、時間ごとに“お客様の動き”は変化します。
それに合わせて営業場所を変える「時間割営業」が、流し営業の基本戦略です。



②【“動くor待つ”の見極め】

「流し営業＝とにかく走る」ではありません。
“走るべき時”と“待つべき時”を判断できる力が、稼げる営業の本質です。
• 需要が読める時間帯・場所 → 積極的に動く（流し）
• イベント終わり・病院の診察終わりなど → ピンポイント待機（付け待ち）

特にイベント終了時刻や終電間際などは、1～2本の乗車で1日の売上が大きく伸びるチャンスタイムです。



③【道路・エリアに強くなる】

地理に詳しいドライバーは、裏道・抜け道・渋滞回避ルートなどの知識を活かし、時間ロスを最小限に抑えられます。

また、こうした知識は乗客からの信頼にもつながり、「またこの人に乗りたい」とリピートにつながることもあります。

エリア別に需要パターンを覚えることで、アプリが鳴らなくても自信を持って動けるようになります。



④【人の流れを“肌で読む”感覚】

アプリに頼っていると、「地元の動き」や「街のリズム」に気づきにくくなります。
ベテランドライバーは、こういった感覚に優れています。

たとえば
• 雨が降った直後に商業施設前で待機
• 地元の祭りやイベント会場の出口を回る
• 天気・曜日・月末などの微妙な変化を察知

この“肌感覚”は、現場で動きながらしか身につきません。つまり、“動く力”は今も重要な武器なのです。



⑤【接客が“リピーター”を生む】

流し営業や付け待ちでは、一期一会の出会いが“次の仕事”に変わるチャンスがあります。
• 丁寧なあいさつ
• 観光地や地元情報のさりげない会話
• 名刺やチラシを渡して「またよろしくお願いします」

このような行動が、後日アプリで指名されたり、固定客になることもあるのです。

アプリ営業は便利で効率的ですが、“自分で動いて需要をつかむ力”がある人の方が、結果的に安定した売上につながります。

特に以下のような時は、基本営業の力が問われます
• アプリの鳴りが悪いエリア・時間帯
• 配車が集中するピークタイムの“取り合い”を避けたいとき
• イベント・天候など“リアルな変化”が起きたとき

つまり、アプリと基本営業の“ハイブリッド”こそが、これからのタクシードライバーの強みになるのです。

アプリに頼らなくても動ける力があれば、どんな状況でも安定した営業が可能になります。
それは「収入の安定」だけでなく、「精神的な安心感」にもつながります。


✅この記事のまとめ
• アプリ営業全盛の今こそ、“基本営業力”が差を生む
• 時間帯ごとの需要パターン・動く/待つの判断がカギ
• 地理や人の流れに強くなることでアプリが鳴らなくても稼げる
• 接客やリピーターづくりも基本営業の一部
• アプリ×営業のハイブリッドで、収入も安定・安心も得られる

まずは1日1回、アプリに頼らず「自分の判断」でお客様を見つけてみる――
そんな小さな一歩が、あなたの営業力を大きく育ててくれます。