「運転が苦手」だった私が売上1位になれた理由は“人見知り”だったから

“人見知り”だったから

「道に自信がない」
「接客も得意じゃないし、営業なんて無理」
「そもそも、運転がうまいほうじゃない…」

そんな自分が、タクシー業界でやっていけるはずがない――そう思っていた。
でも、ふたを開けてみたら、私は営業所で月間売上1位になっていた。
しかもその理由は、「人見知り」という“自分の弱み”だとずっと思っていた性格だった。

私は30代後半でタクシー業界に転職。
車の運転は好きだったが、苦手意識もあった。
「複雑なルートに対応できるかな…」
「お客様とうまく話せる気がしない…」

しかも私は、人見知り。
飲み会も苦手。知らない人と話すのも苦手。
だから最初は、“この仕事、向いてないかも”と思っていた。

私が意識していたのは、ただひとつ。
“お客様に嫌な思いをさせない”こと。

具体的には、以下のようなことを自然にやっていた。
• 乗車時、静かに目を見てあいさつ
• 話しかけられるまで自分から会話はしない
• 無理に盛り上げようとせず、丁寧な言葉で応対
• 降車時に「ありがとうございました。お気をつけて」と心を込めて伝える

▶ つまり、**「しゃべらないけど、丁寧で感じがいい人」**を目指しただけだった。

✅ ① 無理に話さない → 「安心できた」と言われる

多くのお客様は、タクシーでゆっくりしたい。
無理に話しかけられるより、“そっとしてくれる優しさ”を求めている人も多い。
だから私は、「話さない接客」で静かな安心感を提供していた。


✅ ② 表情・声のトーンに敏感 → 空気が読める

人見知りの人は、相手の表情や声の変化に敏感。
それが、“話しかけていいか／やめておくべきか”の判断力になった。
「タイミングを見て、必要最低限の会話だけする」
そのバランスが、意外と評価されていたのだ。


✅ ③ 事前準備を怠らない → 道のミスが少ない

私は運転に自信がなかったので、毎日出庫前にナビアプリで地理を確認していた。
前日に「よく行く目的地ランキング」をチェックするのが日課。
不安だからこそ準備する。それが事故ゼロ・クレームゼロにつながった。

気づけば、月の後半にはGOアプリでの★5評価が続々と入りはじめた。
「運転が丁寧だった」「感じが良かった」「静かに過ごせてありがたかった」
そういったコメントが増えた。

月末には、営業所内で売上1位（約65万円）を達成。
もちろん、高単価客や偶然もあるが、それを支えていたのは間違いなく、“丁寧な人見知り接客”だった。

人見知りは“弱点”じゃない。
お客様の表情を読む力になり、
無理をしない自然な接客になり、
丁寧に伝える言葉づかいにつながる。

そして、運転が苦手な人は慎重になる。
無理をしない。スピードを出さない。
それが結果的に「安心できる運転」になっていた。

✅この記事のまとめ：
• 運転や接客に自信がなくても、“丁寧さ”が武器になる
• 人見知りでも、無理に話さず空気を読む力が評価される
• 売上トップは「饒舌」でも「派手」でもなく、「誠実な接客」でも実現できる
• “できない自分”を責めるより、“できること”を磨けばいい


「しゃべれないなら、聞き上手でいい」
「道に不安があるなら、準備で勝てる」

自分の性格を否定しなくても、売上はちゃんと伸ばせます。
もしあなたが今、「向いてないかも」と悩んでいるなら――
それはきっと、“向いてる証拠”かもしれません。