“稼げない月”をどう乗り越えるか──ベテランドライバーのメンタル管理術

稼げない日が続いたとき、あなたならどうする？

──ベテランが教える“感情に飲まれない働き方”のヒントをご紹介します。

タクシーの仕事は歩合制。
頑張ったぶんが収入になる──それは確かに魅力です。

けれど、どれだけ頑張っても、
「天候」「人流」「競合」「イベント」「体調」…
様々な要因が重なると、思うように売上が伸びない月も必ずあります。

特に新人ドライバーや、収入に不安を抱える家族持ちの方にとっては、
「今月、大丈夫かな」
「どうしても数字が上がらない…」
という焦りが、知らず知らずのうちに心をすり減らしてしまうこともあるのです。

10年選手のベテランドライバーは語ります。

「“稼げない月”を“ダメな月”って決めつけないこと。
波があるのは当たり前。じゃあ“今できること”をするしかない。」

ここに、メンタルを安定させながら乗り越えるヒントがあります。

今回は、収入の波に翻弄されずに長く安定して働き続けているドライバーたちの“メンタル管理術”を紹介します。

まず多くのベテランが口を揃えるのは、「1日ごとの結果に一喜一憂しない」こと。

売れなかった日、トラブルがあった日、やる気が出なかった日…
1日1日を切り取れば、どんな人にも“外れ日”はあります。

でも彼らは、その日をこう捉えます。

「今日は仕込みの日だった」
「この天気じゃ仕方ない」
「じゃあ明日は別のルートを試そう」

▶ “月単位”で帳尻を合わせる意識が、精神的な安定につながるのです。

売上に直結しない日でも、
・新しい道を覚えた
・お客様から「ありがとう」と言われた
・アプリで初めての指名が来た

そんな「小さな成功体験」を1つでも見つけること。

▶「今日は売上はイマイチだったけど、いい接客ができた」
▶「次につながるルートを見つけた」

“売上＝自分の価値”と結びつけすぎないことが、継続のカギになります。

「月に50万円以上稼がなきゃ…」と高い目標だけを掲げてしまうと、
未達のプレッシャーでストレスが積み重なります。

ベテランは、“最低ライン”を最初に決めておくと言います。

「まず月40万。余裕があれば伸ばす。無理ならそこまでで止める」

→ 無理せず、かつ自己管理の指標として役立ちます。
→ 心が疲れる前に“休む判断”ができる人ほど、長く続けられるのです。

「自分はダメだ」「向いてないのかも」
こうした思考に陥る前に、ベテランたちは“行動を振り返る”習慣を持っています。
• なぜこのエリアを選んだか？
• なぜあの待機場所で動かなかったか？
• なぜ今日はお客様との会話がかみ合わなかったのか？

▶ 自己否定ではなく、「次につなげる分析」に切り替えるだけで、感情の消耗を防ぐことができるのです。

“孤独な仕事”といわれるタクシー業。
1日中ほとんど会話せずに終わる日もあります。

だからこそ、
• 同僚ドライバーとLINEで情報交換
• 営業所で雑談
• X（旧Twitter）や掲示板で励まし合う

▶ 誰かと“売れなかった日”を共有するだけで、気持ちは軽くなります。

✅この記事のまとめ：
• 稼げない月は誰にでもある。焦りすぎず、冷静に向き合うことが大切
• 「1日単位で凹まない」「売上以外の成果にも目を向ける」がポイント
• 小さな振り返り・分析の積み重ねが、次の月の“伸びしろ”になる
• タクシーは「自分で気持ちを整えられる人」が強い仕事
• 孤独を抱え込まず、“つながり”を持ち続けることも大切


「数字よりも、気持ちを先に立て直す」
これが、ベテランたちが口を揃えて語る“売れ続けるドライバー”の共通点です。

メンタルのコントロールは、どんな地理情報や接客スキルよりも
長く続けるための最強の武器になるのです。