人を乗せない時間を“稼げる時間”に変える5つの工夫

どれだけ経験を積んでも、タクシー営業には「人を乗せていない時間＝空車時間」が必ずあります。
特に午前中の時間帯や天気が崩れた日、繁忙時間の合間など、**どうしても拾えない“空白の時間”**が生まれがちです。

でも、この時間を「ただ流す」「何も考えず待つ」で終えてしまうか、
あるいは「次に繋がる時間」として活かすかで、1ヶ月後の売上に大きな差が出ることをご存じでしょうか？

今回は、ベテランドライバーたちが実践している、**“空車の時間を稼げる時間に変える5つの工夫”**を紹介します。

乗せられない時間こそ、「人の動き」「流れ」「出入口」を観察する絶好のチャンスです。

たとえば：
• どの施設から何時に人が出てくるのか
• バス停や交差点で、人がどちらへ歩いていくか
• 他のタクシーがどこに集まり、どこから離れていくのか

▶ この“動線”を読み解くことで、次に流すべきエリアや、待機のベストポイントが見えてきます。

「乗せられない＝ムダな時間」ではなく、
「売れる場所を探す“下見の時間”」と捉えましょう。

空いているときは、スマホの過去の配車履歴（GO・S.RIDEなど）を見返してみましょう。
• どの曜日の、何時ごろ、どのエリアで鳴りやすいか
• 自分がどんな場所で拒否してしまったか
• ロングが出やすい場所と時間帯

▶ このデータを簡単なメモ帳にまとめておくだけで、**自分だけの“鳴るポイント地図”**が育っていきます。

空車の合間に、ちょっとだけ停車して：
• ダッシュボードをさっと拭く
• ゴミやチリを取る
• ミラーやメーターの確認をする

▶ これだけで車内の清潔感が保たれ、お客様の第一印象が良くなるだけでなく、自分の気持ちもリセットされます。

「営業中は忙しくて、清掃の時間がない」という人ほど、
空白の時間を“整える時間”として活用すると差がつきます。

乗車の合間こそ、ひとつ前の接客を振り返る時間に使えます。
• あの言い方、失礼じゃなかったか？
• 沈黙が長かったけど、もっと話しかけてもよかった？
• ドアの開閉、動作が雑になってなかったか？

▶ 「売上」ではなく、「接客の質」を見直すことで、
リピーターや指名につながる接客力が自然と磨かれていきます。

思うように拾えないときは、無理に動かず**“戦略的に休む”**のもプロの判断です。
• コンビニで軽食をとる
• 駐車場で仮眠する
• 好きな音楽を流して気持ちを切り替える

▶ 疲労やイライラが溜まった状態で営業を続けても、集中力が切れて事故やミスにつながりかねません。

「拾えない今は、次のピークタイムのために体力をためておく」
そんな柔軟な切り替えが、安定営業につながります。

✅この記事のまとめ：
• タクシー営業に「乗せられない時間」は必ずある
• でもその時間を、観察・記録・整備・振り返り・休憩に活用することで、未来の売上につながる
• ただ流すだけの“空白”を、“準備と仕込みの時間”に変えることができれば、結果として売上にも精神的安定にもプラスになる


「拾えない時間に、どう動くか」
それは“見えない営業力”であり、ベテランが無意識にやっている成功パターンです。

今日の空車が、明日の稼ぎをつくる。
そんな視点を持って動くことが、長く稼ぎ続けるドライバーへの第一歩です。