なぜ彼は毎月アプリ配車を断るのか?“流し”一本で稼ぐ男の哲学

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なぜ彼は毎月アプリ配車を断るのか?“流し”一本で稼ぐ男の哲学

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「GOもS.RIDEも、設定はしてある。鳴っても、取らないんだよ」

そう語るのは、都内で15年以上タクシーを走らせるベテランドライバー・Kさん(50代後半)。
スマホ片手にアプリを駆使するドライバーが多数派になった今、彼はひとり“流し営業”にこだわり続けている。

当然、効率だけを考えれば、アプリのほうが楽で速い。
でもKさんは、その“楽さ”をあえて手放す。

「アプリに頼らないほうが、稼ぎも、自分の感覚も研ぎ澄まされるんだよ。」

アプリ時代に逆行するこのスタイル。その裏にあるのは、揺るぎない哲学と、磨き抜かれた街の読み方だった。


◆ なぜアプリを使わない? 彼が語る“3つの理由”

✅ 1. 「鳴る場所に“行く”より、来る場所を“読む”」

Kさんがアプリを使わない最大の理由は、「自分で判断したいから」。

アプリに依存すると、
• 鳴る場所に動かされる
• 近距離ばかり拾わされる
• ピーク時間でも“制御される感覚”がある

というストレスを感じるという。

「そのときの街の“空気”を読んで、自分の感覚で拾う。それが流しの面白さなんだよ。」



✅ 2. 「お客様の顔を“選ぶ”余裕がある」

アプリ配車だと、顔も態度も事前にわからない。
ときには泥酔客や態度の悪い人も混ざる。
Kさんは流し営業であえて、乗る瞬間の雰囲気や人柄を見て判断するという。

「一瞬で“良いお客さん”ってわかるときがある。そういう人だけを乗せて、心地よく働く。ストレスが違うんだ。」



✅ 3. 「運転も営業も“職人技”でありたい」

Kさんは「売上は結果」と語る。
目指すのは、“タクシーのプロ”として走り方・待ち方・見つけ方のすべてを自分の技術で組み立てること。

「職人に道具はいらない、なんて言わないけどさ。自分の勘が当たったときの快感は、アプリじゃ味わえないんだよね。」

◆ では、実際の“流し営業”でどう稼いでいるのか?

Kさんの営業スタイルは、緻密な“地図にない戦略”に支えられている。

▶ 朝5時〜8時:住宅街から都心への“送り”狙い

→ ○○区の裏通りから大手町・赤坂方面へ向かう通勤層を狙う

▶ 午前〜昼:病院・役所・スーパー周辺の高齢者を丁寧に拾う

→ 短距離を積み重ねながら、「次の波」を待つ

▶ 夕方以降:大手企業・ホテル・飲食街を周回

→ 18時以降は回転勝負。“客の流れ”を5分単位で読む

▶ 特徴:15年以上の「自分だけの統計データ」を活かして、
アプリ以上の精度で“鳴る場所”を先回りする。


◆ 売上は?数字が物語る“流しの実力”

Kさんの月間売上は、平均65〜70万円台。
波はあるが、年間を通して安定した数字をキープしている。

アプリを一切取らないにも関わらず、
• 単価が高い
• ロングも拾える
• お客様とのトラブルが少ない

といった理由で、結果的に“効率よく”“心地よく”稼げているのだという。


◆ 「流し」は時代遅れ?それでもKさんが貫く理由

「たしかに、これからはアプリ全盛になるかもしれない。
でも、街を読む力、空気を感じる感覚は、機械には真似できない。」

アプリが強いのは、情報量とスピード。
でも、“人の動き”は予測できても、“気配”までは読み取れない。

Kさんは「それを読み取れるのが人間であり、ドライバーの価値だ」と語る。


◆ まとめ|“流し”は古い営業ではなく、磨かれた技術である

✅この記事のまとめ:
• アプリ配車に頼らず、流しだけで稼ぐドライバーも存在する
• 「街を読む」「人を選ぶ」「稼ぎの型を持つ」ことが強みになる
• 職人のように、日々の経験から自分だけのルートやタイミングを磨いていく
• アプリでは得られない“直感と気配”が、売上と快適な仕事につながることもある


テクノロジーが進んでも、“人の感覚”で動ける仕事は、まだ終わっていない。

Kさんのように、
“選んで働く”タクシーのプロがいることこそ、
この仕事の奥深さを物語っているのかもしれません。

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