業界歴30年が語る「タクシーの仕事を続ける人・辞める人」の違い

タクシードライバーという仕事には、**他の仕事とは違う“続けるコツ”**があります。
好きなときに働ける自由さ、頑張った分が収入になるやりがい、
人と接する面白さ……確かに魅力は多い。

しかし一方で、1年以内に辞めてしまう人が一定数いるのも事実。

なぜ同じ環境で、長年安定して働ける人と、すぐに辞めてしまう人が出るのか？
今回は、業界歴30年のベテランドライバーが見てきた「続けられる人・辞める人の決定的な違い」をお伝えします。

タクシーの仕事は売上＝給与の世界。
でも、最初から高い売上を出すのは簡単ではありません。

✅ 地理に慣れない
✅ アプリの扱いに不安
✅ 流し営業のコツがつかめない

そんな中、**「全然稼げない…」「やっぱり向いてないかも」**と焦り、
気持ちが追いつかなくなってしまうのがよくあるパターン。

▶ 続ける人は、“売上より先に習慣を作る”ことに集中します。

「最初の3ヶ月は、売上より“地理を覚える月”と割り切った方がいい」
というのがベテランたちの共通意見。

タクシーの仕事は一人の時間が多く、孤独を感じやすい職種でもあります。
困ったときに誰にも相談できず、モヤモヤを溜め込み、
最後はふっと現場から姿を消してしまう──そんな人も珍しくありません。

▶ 一方、続けている人は「同僚との雑談」「営業所での情報共有」を上手に使います。

「1日1回は“誰かと話す”だけでも、心がだいぶ違うんだよ」
というのが、続いている人のリアルな声です。

意外と多いのが、
✅ 「前職は管理職だった」と自分のやり方に固執してしまうタイプ
✅ 「この仕事しかないから」とやる気が持てないタイプ

極端なプライドや自己否定は、どちらも早期離職につながりやすい傾向です。

▶ 続ける人は、“ゼロから学ぶ姿勢”を持ちながら、自分らしさも活かしている。

「運転技術も接客も、最初は“謙虚さ”がある人ほど伸びるよ。」

• 朝型タイプは“早朝営業”
• 夜型タイプは“終電後狙い”
• 都心が苦手なら“住宅地メイン”の営業へ

▶ 続ける人は、「誰かのやり方」ではなく「自分に合った営業スタイル」を確立しています。

「無理に深夜をやらなくても、昼の回転だけで稼げる人もいる」
→ 続けるコツは、“自分を責めないこと”。

ミスをしたり、クレームを受けたり、売上が伸びない日があっても──
すぐに辞める人は“落ち込むだけ”、
続ける人は“そこから学ぶ or 笑い飛ばせる”のが特徴です。

「道を間違えたけど、“大丈夫ですよ”って言われたときはホッとした」
「酔っ払いに絡まれても、“これも経験だな”って思うようにしてる」

▶ 仕事を“人生の一部”として前向きにとらえられる人が、長く続いています。

意外に思われるかもしれませんが、売上トップ常連＝長続きする、とは限りません。

むしろ、“ほどよく稼いで、ほどよく休む”スタイルの人ほど、
何年も続けている傾向があります。
• 月収40万台で十分と考える人
• シフトに余裕を持たせて健康を優先する人
• “無理しない分、ミスもない”を信条にしている人

▶ この“自分にとっての最適ライン”を見つけた人が、タクシー業界では強いのです。

✅この記事のまとめ：
• 辞める人は「焦り」「孤独」「極端な考え方」にとらわれやすい
• 続ける人は「自分のペースを知り、仲間とつながり、柔軟に考える」
• 目先の売上より、“気持ちよく働き続ける環境づくり”に意識を向けている
• タクシーの仕事は、“自分の特性を受け入れられる人”が強い

この仕事は、競争でもなければ、誰かの真似をする必要もない。
あなたのペースで、あなたのスタイルで、
1日1本でも、確かな“自分の稼ぎ方”を見つけられたとき――
それが、タクシーという仕事が“続く”瞬間かもしれません。