「タクシーはもう稼げない」と言われる理由をデータで検証してみた

SNSや転職口コミサイトなどでよく見かける言葉──
「タクシーはもう稼げない」「昔はよかったけど今は無理」

たしかに、少子高齢化・公共交通の発達・配車アプリの普及といった変化の中で、
“かつてのやり方”では通用しなくなった部分はあります。

しかし実際のところ、データを冷静に見れば、“稼げない”とは言い切れない現実が見えてきます。

では、何がそう言わせているのか。
そして、「稼げる人」は何をしているのか。
2025年現在の数字と実態から、タクシー業界のリアルを検証してみましょう。

まずは、タクシードライバーの平均年収（2024年時点・厚労省統計／各種求人データより）。

地域 　　平均年収（概算）
東京都 約586万円
大阪府 約487万円
神奈川県 約425万円
全国平均 約419万円
地方都市 約350万円〜


▶ 都市部では確かに“稼げている”人が多いのが事実。
一方、地方都市では需要や単価が低く、年収に差が出るのも否めません。

タクシー業界の給与形態は大きく3タイプあります。
• 固定給制：安定はあるが、大きな収入は期待できない
• 完全歩合制：不安定だが、成果次第では高収入も
• 基本給＋歩合制：安定とやりがいのバランス型（最近はこの形が増加中）

▶ 「稼げない」と感じている人は、
□ 会社の歩合率が低い
□ 出勤日数・時間が少ない
□ 営業のやり方が合っていない

といった「仕組みの壁」に阻まれているケースも多いのです。

✅ 1. 地域の需要が少ない

地方では駅や病院以外にタクシー需要が限られており、アプリ配車も浸透していないため回転が悪い。

✅ 2. 売上の波にメンタルが耐えられない

1日数万円売れたかと思えば、翌日は1万円台──という波に、心が折れてしまう人も。

✅ 3. 配車アプリや無線の活用が甘い

今やアプリは“稼ぎの柱”。使いこなせない人は取り残されがちです。

✅ 4. 営業スキル・地理力の不足

「走っているのに拾えない」＝“お客様がいる場所・時間帯を読めていない”だけのことも。

実際に、年収600万円以上を安定して稼いでいるドライバーは全国に多数います。
彼らの行動には共通点があります。

▶ 1. 鳴る時間・場所・アプリを“数字で把握”している

→ 感覚ではなく、記録と分析で行動を最適化。

▶ 2. 自分の「稼げる型」を見つけている

→ 朝型なら通勤需要、夜型なら終電後、高齢者送迎など、自分の得意パターンを確立。

▶ 3. 接客・地理・アプリを“磨き続けている”

→ 成長意欲が止まらない人は、常に時代にフィットした動きができている。

かつては「流しで駅に張れば稼げた」
「朝から晩まで走り回れば月収50万いけた」
──でも、今は“情報戦”と“戦略”の時代です。
• 配車アプリで鳴る時間帯を分析
• 空港やホテルの混雑を予測
• 雨の日はロング狙いに徹する
• 無理に乗せず、良質な顧客を選ぶ（キャンセル判断含む）

▶ つまり、「稼げない」のではなく、**“やり方が変わった”**というのが正確な表現です。

✅この記事のまとめ：
• タクシー業界全体としては、“稼げる人”と“稼げない人”の差が広がっている
• 地域・給与体系・営業スタイルの見直しで、収入は大きく変えられる
• 「昔と同じやり方」にとらわれない人が、今の時代で勝っている
• 「稼げない」と感じたら、“仕組み”と“自分の戦い方”を見直すことが第一歩


「タクシーは稼げない」という言葉を信じる前に、
自分に合った戦略で動いているかを問い直してみてください。

この仕事は、やり方次第で“収入も生き方も変えられる”数少ない職業のひとつです。