「面接1回＝即内定」に潜む落とし穴──スピード採用の裏事情

「面接1回ですぐに採用」──
一見魅力的なこの言葉の裏には、慎重に見極めるべきポイントが潜んでいます。

転職を成功させるために、“早さ”だけに飛びつかない判断力が求められます。

最近では、応募からわずか1日で内定が出る“超スピード採用”の求人も増えています。
特に人手不足の業界では、「とにかく人が欲しい」ため、選考のハードルを下げる企業も少なくありません。

タクシー業界でも、「面接1回・その場で内定」など、驚くほど早く採用されるケースが珍しくないのです。

一見「チャンス」と思えますが、ここには注意すべき落とし穴があります。

スピード採用の裏にあるのは、「離職率の高さ」です。

頻繁に人を採っている＝人が定着していない可能性がある、ということ。
• 教育制度が整っていない
• 働き方や収入面にギャップがある
• 社内の人間関係に問題がある

このような“長く働けない理由”が存在している職場は、「早く採用しても、すぐ辞める」ことを繰り返しているケースがあります。

面接時間が短かったり、担当者の説明が曖昧だったりした場合、大事な話を聞けていないまま採用される危険性があります。
• 給与体系（固定給＋歩合？保証給は？）
• 勤務時間・休日の取り方
• 配車アプリと“流し”の比率
• 社宅の有無・条件

こうした情報が不十分なまま入社すると、「思っていた仕事と違った…」というミスマッチが起こりがちです。

面接の際、「誰でもウェルカムです！」という会社に出会うことがあります。
もちろん未経験歓迎の職場も多いですが、“選ばれない”不安がない＝“教育せずとも勝手にやってもらう”文化がある可能性も。

特に、給与が完全歩合制で、教育が手薄な会社の場合、
「自分で稼げる人だけが残ればいい」というスタンスを取っていることもあります。

「スピード採用＝悪」ではありません。
早く決まるのは求職者にとっても嬉しいことです。

大切なのは、以下の確認ポイントを自分からしっかり質問すること。
• 給与体系と最低保障の有無
• 研修内容と期間
• シフトの自由度と実際の勤務例
• 離職率や在籍年数の平均
• ドライバーの1日の流れ（実働時間・休憩時間など）

これらを質問したときに、丁寧に答えてくれる会社は信頼できます。
逆に曖昧な回答や、「入ってからわかりますよ」という姿勢の会社は要注意です。

焦っているときこそ、「早く決まる＝良い会社」と思いがち。
でも、本当に働きやすい会社は、“面接が早い”のではなく、“納得して選べる情報がある”会社です。

内定をもらったら、「即決」ではなく、“この会社で続けられるか”を一晩考える勇気を持ってください。

それが、後悔しない転職への第一歩になります。