実は採用担当が好む“志望動機”のキーワードとは？

「志望動機って、何をどう言えばいいのか分からない」
そんな悩みを抱える人は多いものです。特に転職活動が久しぶりの方や、業界未経験の方にとっては、どんな言葉が採用担当の心に響くのか、なかなか想像しにくいですよね。

しかし実は、採用担当が「おっ」と思う志望動機には、“ある共通キーワード”が潜んでいます。今回は、数多くの面接を経験してきた採用担当者が重視している「好印象の志望動機キーワード」について、具体例とともに解説します。

まず前提として、企業側は志望動機を通じて何を見ているのか──答えは大きく以下の3点です。
1. なぜこの仕事（業種・職種）を選んだのか
2. なぜこの会社を選んだのか
3. どんな姿勢で仕事に向き合うつもりか

つまり、単なる“希望”や“憧れ”ではなく、**「共感」や「価値観の一致」**が伝わることが重要です。

ではここから、具体的に採用担当者が好感を持ちやすい志望動機のキーワードをご紹介します。


1. 「安定」ではなく「成長」

ありがちなのが「安定した仕事に就きたくて…」というフレーズ。しかし企業が求めているのは「会社に依存する人」ではなく、「一緒に成長していける人」です。

◎良い言い方の例：
「業界として今後も必要とされ続ける仕事だと感じましたし、自分自身もその中で成長できる環境だと思い志望しました。」


2. 「未経験」でも「活かせる経験がある」

業界未経験の場合でも、過去の経験をどう応用するかが伝わればOK。大切なのは“過去”と“未来”の橋渡しができているかです。

◎良い言い方の例：
「前職では接客や顧客対応の業務が多く、相手の立場に立って考える力を培ってきました。この経験を活かして、お客様との信頼関係を大切にするタクシー業界で活躍したいと考えています。」


3. 「貢献」や「役立ちたい」

自分目線の動機よりも、“相手目線”の志望動機が響きます。「御社で○○したい」ではなく、「自分が○○に貢献できる」という視点です。

◎良い言い方の例：
「地元に根ざした御社の取り組みに共感し、自分も地域の方々の生活を支える存在として役立てると考え、志望いたしました。」


4. 「長く働きたい」という安心感

40代・50代の方にとって、これは大きな強み。会社側としては、せっかく育てた人材がすぐ辞めてしまうことを最も避けたいのです。

◎良い言い方の例：
「年齢的にも転職は最後にしたいと考えており、長く腰を据えて働ける環境を探していました。御社であれば安心して長期的なキャリアを築けると思い、志望いたしました。」


5. 「○○に惹かれた」＋「なぜ自分に合うと思ったか」

この2点をセットで伝えると、動機に説得力が生まれます。

◎良い言い方の例：
「御社が取り組まれている“未経験者育成の充実”に惹かれました。新しい環境に挑戦するうえで、安心して学べる体制があることが、自分にも合っていると感じています。」

以下のような志望動機は、理由が浅く、印象が薄くなりがちです。

✗「家が近いので」
✗「たまたま募集していたので」
✗「他の業界がうまくいかなかったから」

どれも“本音”ではあるかもしれませんが、「この人は本当に当社で働きたいのか？」という疑念を生んでしまいます。

志望動機は、以下の3ステップで構成するとスムーズです。

① 共感・興味の理由
→ 「御社の〇〇に共感しました」

② 自分の経験・強みとマッチする点
→ 「自分の〇〇という経験が活かせると感じました」

③ 入社後の意欲や貢献の意思
→ 「この環境で成長しながら、貢献していきたいです」

同じ内容でも、言い回しやキーワードひとつで印象は大きく変わります。
「安定したい」だけではなく「成長したい」
「仕事がしたい」だけでなく「誰かの役に立ちたい」

採用担当が惹かれるのは、**「前向きな気持ちが伝わる言葉」**です。

志望動機に自信がない人ほど、「どう思われるか」よりも「何を伝えたいか」に集中して、自分の言葉で表現することが成功のカギになります。

自分らしい言葉で、“未来に向けた意欲”を伝えてみてください。
それこそが、年齢や経験を超えて、採用担当の心を動かす志望動機になります。