「人に感謝される仕事がしたい」そう思ってタクシーを選んだ話

「ありがとう」と言われる瞬間が、一番うれしい。
前職のとき、そう感じることがたまにありました。だけど、その“たまに”があまりにも少なかった。

売上やノルマに追われて、数字の話ばかり。
クレームが怖くて、自分の意見は飲み込む日々。
そんな毎日に疲れていたとき、ふと頭に浮かんだのが──

**「もっと人に感謝される仕事がしたい」**という気持ちでした。

私は前職で営業をしていました。モノを売る仕事で、成果はそれなりに出していたと思います。でも、なぜか心が満たされなかった。

売って終わり、数字が上がっても次の目標。
「ありがとう」と言ってもらえる機会は、意外と少なかったんです。

あるとき、ふとタクシーに乗った帰り道。
年配の運転手さんが、ていねいに道を選び、最後に「お大事に」と声をかけてくれた。
私は思わず、「ありがとうございます」と自然に言っていました。

そのときふと思ったんです。

ああ、毎日こんなふうに“ありがとう”をもらえる仕事って、いいな。

タクシーの仕事って、ただ運転するだけじゃないのか？
そんな先入観もあったけど、調べるうちに気づいたのは、

・人と接する回数が多い
・1対1の時間が確実にある
・相手の状況に寄り添える瞬間が多い

ということ。

ただの“運送業”ではなく、**「人を届ける仕事」**なんだと知りました。

誰かの体調が悪いとき、
大事な商談に向かうとき、
酔ってうまく歩けない夜。

そんなときにそっと寄り添うのが、タクシードライバーの役割。

ただ運ぶだけじゃない、“気持ちを届ける仕事”なんだと気づいたんです。

もちろん、最初は不安もありました。
• 二種免許って難しいのでは？
• 未経験で道を覚えられる？
• 人と話すのが得意じゃないけど大丈夫？

でも、実際にタクシー会社の説明会に参加してみると、拍子抜けするほど親切でした。
• 免許取得は会社負担でサポートあり
• カーナビや配車アプリで道に不安はなし
• 無理に話す必要もなく、静かな接客でOK

何より、同じように**「人と関わる仕事がしたくて転職してきた」**という方が多いことにも驚きました。

乗務を始めて数か月。最初は緊張の連続でしたが、いまでは**「ありがとう」が自然と聞こえてくる日々**になりました。
• 「助かったよ、ありがとう」
• 「やっぱりタクシーが一番安心する」
• 「親切にしてくれて嬉しかった」

ほんの短い時間でも、人との信頼が生まれる。
そしてそのたびに、「この仕事を選んでよかった」と思える。

以前の私は、「会社の数字」に貢献する毎日でした。
でも今は、「目の前のお客様」に喜んでもらえる日々です。

• 人と関わるのが嫌いじゃない
• 誰かの役に立つことでやりがいを感じる
• 決まった仕事より、少し変化のある方が好き
• 一人の時間も大切にしたい
• 地道でもコツコツ頑張れる

どれか1つでも当てはまるなら、タクシーの仕事はきっと向いていると思います。

この仕事に就いて、収入は安定しました。
時間の使い方も前より柔軟になりました。
でも、一番大きな変化は──

**「人に感謝される仕事ができている」**という実感を持てたこと。

転職は勇気がいる選択です。
でも、誰かに必要とされたいという気持ちは、年齢も経験も関係ない。

「ありがとう」と言われたい。
そう思ったら、一歩踏み出してみてください。
その一歩が、あなたの人生を変えるかもしれません。