「家族に反対された」それでもタクシー運転手を選んだ理由

「本当にそれでいいの？」「もっと他の道があるんじゃない？」
タクシードライバーに転職すると決めたとき、最初にぶつかったのは“家族の反対”だった。
転職を考える人にとって、最も身近な存在である家族の声は、大きく心に響く。
それでも、あえてこの道を選んだ人がいる。そこには、“確かな理由”があった──。

今回ご紹介するのは、元・製造業の会社員、藤井さん（仮名・40歳）。
長年務めた工場が閉鎖され、再就職を余儀なくされた彼が選んだのは、タクシードライバーという職業だった。

だが、その決断に対し、家族──特に妻は戸惑いを隠せなかった。

「夜遅いんじゃないの？」「休みが不規則で体に悪そう」
「そもそも、安定して稼げるの？」

テレビやネットで見る“キツそう”なイメージが先行し、家族の不安は大きかった。
「もっと普通のサラリーマンに戻ってほしい」──それが本音だった。

藤井さんは語る。

「もちろん、迷いもありました。でも、40歳を超えて“普通の会社員”として雇ってくれるところって、実際は限られてるんです。」

現実的な選択として、年齢に関係なくスタートできるタクシー業界は、現実味のある道だった。
さらに彼が魅力に感じたのは、**「努力した分、収入になる」**というシンプルな仕組み。

「家族のことを思うなら、なおさら“やった分だけ返ってくる”働き方を選びたかったんです。中途半端な給料の会社に入って、また辞めるくらいなら、覚悟を決めて稼げる道を選びたいと思ったんですよね。」

最初のうちは、家族の表情もどこか心配そうだった。
だが、藤井さんがタクシーに乗務を始めて1ヶ月──
少しずつ売上が上がり始め、「給与保障＋歩合」で安定した収入を得られるようになってきた頃、妻の態度も変わっていった。

「今日は○万円売り上げたよ」「お客さんにありがとうって言われた」
藤井さんが毎日そうやって笑顔で帰宅する姿に、家族の不安は少しずつ消えていった。

ある日、奥さんがぽつりと漏らした。

「前の仕事のときより、なんか楽しそうね。」

現在の藤井さんは、隔日勤務で週3日〜4日勤務。
勤務翌日はしっかり休めるため、家族との時間も意外と多いという。

「子どもの習い事の送迎ができるようになったのが、地味に嬉しいですね。前は全部妻に任せっきりだったので。」

また、年齢に関係なくスキルアップできる業界という点も、長く働く上での安心材料になっている。

藤井さんが「もし誰かにすすめるとしたら？」と聞かれて語ったのは、こんな言葉だった。
• 40代・50代で再スタートを考えている人
• 家族を養いながら、無理なく稼ぎたい人
• 過去の職歴に自信がないけれど、誠実に働く意欲がある人

「最初に家族が反対したのも当然です。でも、実際にやってみたら“こんな働き方もあるんだ”って驚くことばかりでした。
自分を変えるだけじゃなく、家族の安心にもつながる仕事だと思います。」

家族に反対されたとしても、それはあなたの幸せを願っての言葉です。
だからこそ、「本気でやる」という意志と、具体的な行動があれば、
やがてその反対は、応援に変わっていくはずです。

タクシー業界は、年齢や経歴に関係なくスタートできる数少ない業界。
「家族を守るために選んだ道」として、十分に価値のある選択肢です。

もし今、あなたが同じように迷っているのなら──
ぜひこの言葉を思い出してください。

「あのとき反対されたけど、この道を選んでよかった」

それが、きっとあなたにも訪れる未来です。