新人ドライバーの“最初の1週間”を乗り越えるコツ

──不安と混乱の中で、それでも前に進むために

「道を間違えた…」
「お客さんをうまく乗せられない」
「アプリの操作が混乱する」
そんな経験、タクシードライバーを始めた誰もが通る“新人の壁”。

特に最初の1週間は、想像以上に体も頭も疲れる時期です。
でも安心してください。乗り越えた先には、着実な成長と手応えが待っています。

今回は、新人ドライバーが「最初の1週間」を乗り越えるための具体的なコツを、経験者の声も交えながらご紹介します。

新人時代、特に初乗務の週は…
• 道に不慣れ（ナビを使っても不安）
• 接客マナーや言葉づかいに自信がない
• アプリ操作や機器の使い方に戸惑う
• 1人での営業がとにかく緊張する

これらが重なり、「自分には無理かもしれない」と感じてしまう人も少なくありません。

でも、それは“普通”です。
なぜなら、全てが初めてで頭も心もフル回転している状態だからです。

ナビに頼るのもOKですが、できれば「この駅の近くは混む」「この時間帯はこの通りが動く」といった“エリアの癖”を早めに把握しましょう。

先輩たちは、みんな口を揃えて言います。

「道を完璧に覚える必要はない。まずは“ざっくりの土地勘”を持とう」

営業所周辺や主要駅・商業施設・病院など、よく呼ばれるポイントだけでも頭に入れておくと、不安がぐっと減ります。

アプリ操作・料金メーター・無線機器…覚えることが多いですが、完璧を目指すと苦しくなるので、最初の1週間は「覚えながら走る」くらいの気持ちでOKです。

困ったときは、営業所や配車センターにすぐ連絡を。
「またか…」なんて思われません。新人のミスは想定内です。

実際、現場ではこんな声が──

「新人がわからないのは当然。むしろ聞いてこない方が心配になる」
（ベテランドライバー・50代）

新人ほど「どう動けば稼げるのか」がわからず、走るコースに迷いがち。
そんなときは、営業所の先輩が実際に使っている動き方（ルート・時間帯の工夫）を真似するのが近道です。

たとえば：
• 朝：駅や住宅街周辺を流す
• 昼：病院や商業施設の出入り口で待機
• 夕：ビジネス街や繁華街をアプリ中心で回る

「地元の稼げるスポット」「アプリが鳴りやすいエリア」は、聞けば必ず教えてもらえます。

新人は売上が低くて当たり前。
それよりも、「今日は何ができたか」「明日は何を気をつけるか」を毎日振り返ることが、上達への近道です。

チェックポイント例：
• アプリ配車の操作、スムーズにできた？
• 地理の不安をどう解消した？
• お客さま対応で「ありがとう」がもらえた場面は？

この積み重ねが、確実に成長につながります。

初めての一人営業、知らない街…誰だって不安です。
もし「つらい」「自分だけができてない」と思ったら、同時期に入社した同期や、営業所で顔を合わせる新人と話してみてください。

「え、私も同じことで失敗したよ」
「それ、昨日やらかしたばっかり！」

そんな共感のひと言で、心がすっと軽くなるはずです。

最初の1週間は、とにかく慣れと自信を少しずつ積み上げる時間です。
毎日ちょっとずつできることが増え、地理や操作にも自然と慣れていきます。

実際に、ほとんどのタクシー会社がこの時期をこう見ています：
• ミスして当然
• 売上は気にしなくていい
• とにかく“出勤して無事故で帰ってくる”だけでOK

これを知っているだけでも、少し肩の力が抜けませんか？

「こんなに道を間違えるなんて…」
「こんなに緊張するとは思わなかった…」

それでも大丈夫です。
それでも1週間、前を向いて車を走らせたあなたは、もう立派な“プロの入り口”に立っています。

タクシー運転手の世界は、日々の経験がそのまま自信と収入に直結する仕事。
初めの一歩さえ乗り越えれば、どんどん成長していける環境が整っています。

だからまずは、最初の1週間を“無理なく・諦めずに”走り切ってみてください。

その先には、「この仕事を選んでよかった」と思える日が、きっとやってきます。